40代前半男性です。
高校卒業後、ずっと工場での勤務ばかりしていました。回りの環境が工業地帯でしたので、工場勤務をしている人も周りには多かったです。しかし、現在日本では工場閉鎖が相次ぎ、私が携わっていた液晶関連企業もいよいよ日本からなくなり中国へ行ってしまいました。工場の数は年々少なくなり、何か他の業種はないかと求人を探してました所、うどん屋の移動販売店の求人に目が止まりました。
俗にパチンコ屋さんのとなりによくある飲食店は、もしかすると皆さん見た事もあるかもしれませんが、これが移動式になっているという事です。軽自動車の荷台に店舗があり、これを時間で移動して販売するという商売でした。
早速面接に伺うと、社長は「これからは移動販売の時代です。店舗を構えると経費がかかる為、今は移動販売がどんどん増えている。我々ももっと会社を大きくして、あなたにも会社で貢献してもらい発展させてもらえないか。」と熱意をこめてせっせいと、この仕事の熱意を私に説明するんです。私もこうした社長の熱意に感銘を受け、その日のうちに入社をするという事を決めました。多少、飲食という不慣れな業種であったことで不安もありましたが、うどんをゆでてお客様に提供するという仕事なので、それ程調理技術を必要としない事からなんとか自分でもやれるだろうと入社を決意した訳です。
しかしこの熱意とは全く裏切られた形となり、散々な目にあい僅か数ヶ月で退社しました。実は移動販売式の車両には、保健所許可を取るにあたり自動車には蛇口の設置が義務づけられています。どうしてもそれが出来ない場合、水道の確保をしなければならないのですが、車に蛇口があるなんて珍しいのでひねって見たらびっくり。小さいごきぶりがでてきました。それを見た先輩が、「水なんて出るわけねーじゃねーか。何考えてんだ。」と叱責されました。始まって数分でこうした感覚に違和感を覚えました。
広告には朝9:00~18:00とありましたが、実際には21:00での勤務でした。その間無論残業代は出ません。しかも調理もあるので、日によって朝7:00に出勤する場合もあるんです。つまり高速時間は14時間近くなります。お昼休みもありません。食事はお客さんが居ないときに食べるだけになります。給料は23万円ですが、出勤日は全体で25~26日なので、これで残業の不払いを換算すると時給は700円代前半という事になります。確かに食事代は一日100円なので、食費もかかりませんし家賃だけの生活なのでしかも自由時間が殆どないので、お金は貯まるのですが明らかに法律違反の会社という事になります。疲れが取れないまままた仕事に行くので、しかも売り上げが悪いと叱責。面接時に主張していた、社長の熱意とかは全く感じられず始まって数日でこの有様に期待を裏切られた形となりました。
商品についても、冷蔵庫を保有しているのではなくクーラーボックスに保冷剤を入れているだけなので、しかも室内は湯をたくので常に50~60度になります。これで保冷剤で対応できるわけが無いので、保存剤を致死量ぎりぎりに入れているようです。先輩が我々はそれらを口にしてはいけない。販売中倒れられても困る。と訳の解らない教育をされる有様。自分はその時に退社を決意しました。毎日の生活も勿論大事でしょうが、そんな商品をお客様に売る事がまず社会人というより人間として出来ないと思いました。ややもすれば自分は刑事事件に巻き込まれるのでは?と思ってしまいました。聞いていたにも関わらず販売する訳ですからね。
今はブラック企業とか名前があるんですが、私のときはそんな名前すらありませんでしたが違法会社と言う認識しかありませんでした。多くの飲食店は真面目にやられているとは思いますが、ここの会社は極めてずさんで酷いと思います。
