30代後半の男性です。
私は新卒で10年間勤めた会社を会社都合により退職を余儀なくされました。これがリーマンショックの数年後のことでした。なので、IT業界は不景気になることは間違いないし、何よりも新技術を習得していなかったので、再就職は厳しいと思いました。
この当時から高齢化が進んでおりましたので、ハローワークに行くと、福祉専門の窓口があり、話を聞きました。すると、当時はすでに30歳を超えてしましたが、当時の私の年齢でも始めることが出来るという安易な気持ちで介護職を目指すことにしました。
その為には、当時のヘルパー2級を取得すると少しでも就職が有利になると言われていました。なので、職業訓練校に入校して、この資格を取る決意をしました。入校する為に倍率は高いと言われていましたけれども、運よく入校することが出来て、3か月間、通うことになりました。カリキュラムは始めの1か月は講習で残りは実演と実際に施設訪問するというものでした。学校は仲間が出来て楽しいものであり、卒業後もしばらく会っていた人もいました。
そして、就職活動時も連絡を取り合っていたりもしました。介護施設に就職した人、元の職業に戻った人、結婚した人、様々でした。私は介護施設グループホームに興味があり、就職しました。
3か月間トライアル制度というシステムがあり、未経験者でも簡単に採用されたものの厳しい現実が待ちうけていました。職員さんは主婦層が多く、グループホームは家事がそのまま仕事になってしまうため、個々の仕事のやり方が違うことが特徴的でした。なので、1人1人かfら教わることが異なる為に、かなり混乱しました。Aさんから教わったことを実行すると、Bさんからは怒られてしまうという始末でした。なので、利用者さんも1人1人接し方をするのが当たり前ですが、先輩職員さんに対しても違う仕事方法をする必要がありました。
あと、重要だったのはナチュラルな会話の仕方です。接客業等の仕事を長年した方であれば、
つぶしが効きやすい仕事ですが、私のようにマシンを相手に長年仕事をしていたので、全くの場違いでした。もともとは人と話すのが得意になりたかったためにこの仕事に関心を持ったのですが、完全に裏目に出てしまいました。
とにかく職員さんの陰口が多いのも特徴的でした。後に分かったことですが、私も言われていました。聞くところによると話し方がぎこちないとよく言われていたそうです。話慣れている方から見ると、私の話し方はかなり格好悪く見えるそうです。私の長所は理論的な数学的な思考が出来ることですが、そんなのは全く役に立たない場所でした。何よりも、なかなか職員さんの思い通りに動けない私はよく怒られてしまい、いつ罵声が来るのか分からない職場はとても辛いものでした。また、介護職は基本的には高卒者が多く私は学齢がありましたので、嫉妬されていたという話もありました。結局、トライアルの3か月で辞めてしまいました。
振り返って思うことは自分の弱点を克服することも大事ですが、仕事となるとそうはいかないです。むしろ、自分の得意なことに焦点を当てて、それを活かすのが第一だと思いました。弱点を克服するなら、趣味の世界になるかと思います。会社は利益を目的としているので、苦手なことを克服できるまで待つ余裕はないという事実が分かりました。
結果的には、就活は厳しかったですが、元のIT職に戻ることになりました。
