私は現在55歳男性です。大学を卒業してから営業をずっと続けてきました。営業に携わった業種は2社ですが48歳になった時、ある程度の役職についていましたが人間関係や会社方針に嫌気がさし、もう営業のような時間の決まっていない職業はやめよう、
工場のような就業時間がはっきりとした仕事をしたいと思い、三回目の転職としてこれからお話しする会社に就職しました。就職した会社は簡単に言えば市町村の決めた家庭用のゴミを回収してそれをさらに分別し、製紙会社に再生紙として販売するというお仕事です。工場とは違いますが、決まった時間から働き出し、10時の休憩、12時からの食事、3時の休憩、そして定時での完全終了と営業時代とは全く違った就業形態でした。
人と話すこともなく、ただただ与えられた仕事をこなすといったものでした。具体的にどんな仕事をするのかと言えば区市町村で決められた日時、曜日に指定の業者達が持ち込むいわゆるゴミを大きなヤードと言われる運動場みたいなところでひたすら選別をするというものです。私の会社では雑紙、新聞古紙、段ボール、シュレッダーと主にこの四種類を選別していました。家庭からでるゴミは想像以上に雑多です。販売先の製紙会社はそれぞれ間違いない選別を要求してきます。
業者が持ち込んだそれぞれのゴミの中から再生にできないものを取り除き、それぞれのゴミに分別していきます。当然どのゴミにも属さない禁忌品と言われるものはさらに分別していきます。タイトルにも書きましたが体力には自信がありましたのでこの仕事結構真剣にそして真面目にやりました。家庭から出るゴミは特に新聞や雑誌などはビニール紐などで結ばれています。その紐をカッター等で切りながら選別をするわけですが、この紐がかなりガッチリと結んであるんです。これを指で引っ掛けながら切るんですが、この行為意外とやったことが無く指先にかなりの負担がかかります。私の場合始めて1ケ月程で爪部分に内出血が起こり、親指を除く爪が全部はがれるという経験したことのない事態になりました。
また、ヤードに撒かれたゴミは腰を折って中腰での作業になります。とったことのない姿勢での作業は腰に足に負担をかなりかけることになりました。更にこれらの作業は屋外ですべて行われます。雨が降っても、雪が降っても、30度を超えるような暑さでも、同じ作業が続きます。真夏の屋外でのこれらの作業は凄まじい物でした。当然、熱中症患者も出現してきます。そんな劣悪な状況でも製紙会社に商品として供給するためには作業を続けなければなりません。
熱中症が引き金で心筋梗塞を発症した人もいました。この仕事を約5年程やりましたが年齢もさることながらやはり体に異常が起きてきました。腰痛が慢性化していく、足、腕にも慢性的な痛みが出てきました。慢性的な痛みは精神的にも効いてきます。朝、起きれない、仕事が終わって家に帰ると凄まじい疲れが襲ってくるようになりました。
このままでは体だけではなく精神的にも病んでしまうと思い、退職をすることにしました。この仕事は確かに就業時間がきっちりしており、頭も使う事もありませんが、屋外でのみの作業と言うところがかなりきついです。50歳近くなってやる仕事ではなかったようです。これが私の転職失敗談です。くれぐれも昔の体力自慢だけで仕事を選ぶことはやめたほうがいいと思います。また、このような仕事につくならばどこでどんな仕事をやるのかをよく聞いてから就業してください
