50代の男性です。私は長らく営業職に就いていました。デパートに出入りする商品メーカーの営業、紙袋、封筒等を法人向けに販売する営業。合わせて20年程かかわってまいりました。
営業の仕事はストレスも多く、不規則な生活で今後の暮らしに不安をおぼえ、また会社自体も低迷しているという事もあって転職を考えるようになりました。
折も良く義理の兄が某大企業に勤めていたのですが、定年となりその関連会社の社長に天下っていたのでそのコネを利用して転職をしたという次第です。
その関連会社は行政や一般家庭から出た紙、段ボール、書籍を選別、プレス後製紙会社に販売するというものでした。そこでの仕事はまさしく選別のみをするという事でした。朝から終了時間までその作業だけを行うという事で体力的な不安もありましたが、そのへんはなんとかなるだろうという感じで働き始めました。
働き始めていろいろな問題が出てきました。まず、最初に言われていた仕事内容とかなり違っていたという事です。選別のみと聞かされていたのですが、選別するものを自分で回収してくるという仕事も加わり、さらに運転したこともないトラックでの回収だというのです。かなりの広範囲のルートを回収して回り、それをヤードと呼ばれる選別場所にそれぞれ分けて下す。そ
してそれを選別するという聞いていない仕事がいくつも増えてきました。ちょっとお話が違うといってももはや遅いです。更にですがその選別作業をしやすくする為に集められたものをヤードにばらまき選別作業をしやすくするための重機の運転もしなければなりません。フォークリフトの大きいやつです。いい年してこんなやったことのない事ばかり、しかも自分の息子みたいな年代の子に習わなければなりません。
これはそれなりにストレスも溜まります。もう一つ言わせてもらえばこの仕事、基本的に屋外です。天候がどうであれ常に外での仕事になります。雪が降っても雨が降っても、熱中症になりそうな猛暑でも休みになることはありません。自分で回収してくるもの、回収業者が持ち込むものの中にはいわゆるなんだかわからないものも含まれています。紙関係の回収なのに紙に混ざって金属や汚物なんてものも注射針まで入ってきます。これには驚きました。自分で回収してきて仕分けして選別、汚物まで入ってるものまでさらにゴミとして分別します。
いろいろなものが入り混じったヤードの中は時にはアンモニア臭が立ち込める事さえあります。臭くても、腰屈めて選別して筋肉痛、ギックリ腰になる。こんなすごい仕事とはおもいませんでした。給料がすごく高いわけではありません。
むしろ安いくらいです。週休二日でもありません。年末、年始、引っ越しの多い三月四月は回収品は膨大になり残業はヤードがかたずくまで続きます。さすがに耐えられず、社長である義兄に申し訳なかったですがやめることを伝えました。それでも四年間頑張りました。
だから最初にいっただろうと義兄には言われてしまいましたがそんな事関係ないほど疲れとストレス溜まってました。現在、営業こそやっていませんが転職条件には休みを中心に探しました。汚い、きれいというよりも自分にストレスがない仕事についています。コネを使って楽しようとした報いだったかもしれません。お兄さんごめんなさい、もっと貴方のはなしをよく聞いておけばよかったです。
これが私の転職の大失敗です。安易に仕事を決めてはいけませんね。
